Letter

材料:陰イオン的電子層を持つ二次元エレクトライドとしての窒化二カルシウム

Nature 494, 7437 doi: 10.1038/nature11812

エレクトライドは電子が陰イオンとして働くイオン結晶で、最近の研究では、例外的な物質ではなくむしろ一般的な形態であり、特に高圧下ではそうであることが示唆されている。エレクトライドの物性は、陰イオン的電子を閉じ込める空洞のトポロジーによって決まる。今のところ、報告された閉じ込めサイトは、ゼロ次元の空洞または弱く結びついた経路で構成されるものに限られている。今回我々は、二次元に閉じ込められた陰イオン的電子を持つ窒化二カルシウム(Ca2N)の層状構造エレクトライドについて報告する。Ca2Nの有する陰イオン的電子の濃度は、化学式[Ca2N]+·e−で表される電子濃度に一致している。二次元輸送特性は、高い電子移動度(520 cm2 V−1 s−1)、長い平均散乱時間(0.6ピコ秒)と0.12 μmという平均自由行程から実証されている。120 Kまでの抵抗率の二次の温度依存性は、電子–電子相互作用の存在を示している。磁場方向に対して著しく異方的な磁気抵抗挙動(磁場が伝導面に対して垂直だと負、平行だと正)が観測され、高濃度電子層における二次元拡散輸送が確認された。加えて、バンド計算によって、層間空間内での陰イオン的電子の閉じ込めが裏付けられた。また、光電子測定結果から3.5および2.6 eVという低くて異方性のある仕事関数が確認されており、陰イオン的電子が緩く束縛される性質を持つことが明らかになっている。我々は、Ca2Nが[Ca2N]+·e−で表される二次元エレクトライドであると結論する。

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