Letter
発生:胎仔での直接的およびメラノプシン依存的な光応答がマウスの目の発生を調節する
Nature 494, 7436 doi: 10.1038/nature11823
血管のパターン形成は、器官機能に非常に重要である。目では、胚の硝子体血管系の退縮と(光路を透明にするために重要)、網膜血管系の形成(網膜ニューロンの高い代謝要求にとって重要)が同時に起こる。これらの事象は、マウスでは出生後に起こる。今回我々は、この両方の過程を調節する光応答経路を明らかにした。非典型的オプシンであるメラノプシンをコードするOpn4遺伝子に変異を持つマウスや、妊娠後期から暗条件で飼育したマウスでは、分娩後8日でも硝子体血管がまだ存在しており、網膜血管の過剰増殖が見られる。我々はこれらの血管の異常が、1つの光応答経路により説明されることの証拠を示す。その光応答経路は、網膜ニューロンの数を抑制して低酸素状態を制限し、その結果、血管内皮増殖因子A(VEGFA)の局所的発現が抑制される。また、この経路に対する光応答は、妊娠後期の胚期16日周辺で起こり、母親ではなく胎仔の光色素が必要であることも明らかにする。計測結果から、腹腔内の光子フラックスは、マウス胎仔のメラノプシンを発現している網膜神経節細胞の活性化に、おそらく十分であることがわかった。以上の結果から、成熟した目の機能に対する刺激である光は、視力の準備段階にある目でも、網膜ニューロンの数の調節や、最終的に目の血管パターンを作り出す一連の現象を開始させることにより重要な働きをしている。

