Letter
工学:合成DNAで実用的な大容量低メンテナンス情報記憶を目指す
Nature 494, 7435 doi: 10.1038/nature11875
デジタル生産やデジタル伝送、デジタル記憶によって、情報の入手法や利用法に大変革がもたらされた。しかし、アーカイビングがますます複雑な作業になり、デジタルメディアの積極的かつ継続的なメンテナンスが必要になっている。この課題が要因となり、DNAが魅力的な情報記憶の対象として関心を集めることとなった。DNAは、高密度情報を符号化でき、容易に実現可能な条件下で寿命が長く、情報担体としての確かな実績があるからである。DNAを用いたこれまでの情報記憶方法は、符号化した情報の量が少ないか、スケールアップに適さないものであった。また、ロバストな誤り訂正が用いられず、大規模な情報アーカイブ化の費用効率が調べられていなかった。今回我々は、これまで以上に多くの情報を確実に記憶できるスケーラブルな方法について報告する。我々は、ハードディスク記憶装置の合計739キロバイトのコンピューターファイル(推定5.2×106ビットのシャノン情報量)をDNAコードに符号化し、このDNAを合成した後、配列決定し、100%の正確さで元のファイルを復元した。理論解析によって、我々のDNA記憶方式は現在の世界規模の情報量をはるかに超えてスケールアップできる可能性があり、まれにしかアクセスされない大規模長期デジタルアーカイブに現実的な技術をもたらすことが示唆されている。実際、現在の技術的進歩の傾向はDNA合成コストの低減に向かっており、この速さでコストが下がれば、50年未満のアーカイビングの場合、我々の方式が10年以内に費用効果的になるはずである。

