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生理:肥満が誘導するmiR-802の過剰発現はHnf1bのサイレンシングを介してグルコース代謝を妨げる
Nature 494, 7435 doi: 10.1038/nature11793
インスリン抵抗性は、2型糖尿病の発症の際や、肥満によるグルコースおよび脂質の代謝障害の発生で見られる特徴である。マイクロRNA(miRNA)依存的な転写後遺伝子サイレンシングは、近年、インスリン抵抗性2型糖尿病などの疾患の発病と進行において遺伝子発現を制御すると考えられており、miR-143、miR-181およびmiR-103/miR-107といったmiRNA群の制御異常は、肝臓のインスリン感受性を変化させる。本研究では、2種類の肥満マウスモデルと肥満のヒト被験者の肝臓で、miR-802の発現が増加していることを報告する。誘導型導入遺伝子を用いてマウスでmiR-802を過剰発現させると、耐糖能が損なわれてインスリン感受性が弱まる一方、miR-802の発現を減少させると、耐糖能とインスリン作用が改善される。我々は、Hnf1b(別名Tcf2)がmiR-802依存的サイレンシングの標的であることを明らかにし、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)により肝臓でHnf1bを減少させると、耐糖能が誘導され、インスリンシグナル伝達を阻害して、肝臓での糖新生が促進されることを示す。逆に、Hnf1bを肝臓で過剰発現させると、Leprdb/dbマウスでインスリン感受性が改善された。したがって、本研究は、miR-802の発現の脱調節が、Hnf1bのターゲティングを介して、グルコース代謝の肥満関連障害の発生に重要な役割を果たしていることを明らかにし、また、肝臓のインスリン感受性制御にHnf1bが予想外の役割を持っていることを示している。

