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構造生物学:ヒトIFITタンパク質によるウイルス5′-PPP-RNA認識の構造基盤
Nature 494, 7435 doi: 10.1038/nature11783
IFIT(interferon-induced proteins with tetratricopeptide repeats)は、自然免疫のエフェクター分子で、宿主の翻訳開始装置のタンパク質–タンパク質相互作用を妨げることにより、ウイルスに対する防御作用をもたらすと考えられている。しかし最近、IFITが、5′-末端にリン酸基を3つ持つウイルスRNA(PPP-RNA)を直接認識できることが見いだされた。この5′-三リン酸基は、ウイルスRNA分子を宿主RNAと区別する目印となる。今回我々は、ヒトIFIT5、そのPPP-RNAとの複合体、それにIFIT1のアミノ末端断片の結晶構造を報告する。この構造から、新しいヘリックスドメインが明らかになった。このドメインには、一本鎖PPP-RNAとだけ特異的に結合できるような構造の正電荷を持つ空洞があり、この点で二本鎖ウイルスPPP-RNAを認識する典型的な細胞質センサーのRIG-I(retinoic acid-inducible gene 1、別名DDX58)とは異なっている。変異解析、タンパク質分解実験、ゲルシフト解析により、PPP-RNAの結合は配列非特異的に行われ、ヌクレオチド3個程度の5′-オーバーハングが必要なことがわかった。IFIT1、IFIT5へのPPP-RNAの結合を阻害すると、ヒト胎児由来腎臓細胞の抗ウイルス応答に異常が生じることがわかった。これらの結果は、IFITタンパク質がウイルスRNAを選択的に認識する仕組みを明らかにしており、下流でのエフェクター機能についての手がかりが得られた。

