Letter

遺伝:特殊化した機構によるRNAiの誘導が発生にかかわる遺伝子とレトロトランスポゾンをサイレンシングする

Nature 493, 7433 doi: 10.1038/nature11716

RNA干渉(RNAi)は進化的に保存された機構で、低分子干渉RNA(siRNA)は類似配列を持つRNAの分解を誘導するが、その一方でセントロメア反復配列のような反復DNAエレメントでのヘテロクロマチン形成も促進する。しかし、RNAiの機能やその内在性標的の全容は明らかになっていない。本研究では、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)で、RNAiとヘテロクロマチン因子が協働して、性分化遺伝子や膜タンパク質をコードする遺伝子、またレトロトランスポゾンなどのエキソソームRNA分解装置によっても標的とされる多様な遺伝子座のサイレンシングを行うことを示す。エキソソームが存在しない場合には、転写産物は主にRNAi装置によりプロセシングされてsiRNAクラスターが生じ、それに対応して遺伝子やレトロトランスポゾンを含む広い領域にわたるヘテロクロマチン修飾の増加が見られた。RNAiによるsiRNAの生成とヘテロクロマチン形成は、典型的なポリAポリメラーゼであるPla1や、関連のRNA監視因子Red1がかかわる機構によって引き起こされる(これらもやはりエキソソームを活性化する)。このような標的遺伝子座におけるsiRNA産生とヘテロクロマチン修飾は、環境内生育条件と性分化の際の遺伝子発現を誘導する発生シグナルによって調節されている。今回の解析は、ショウジョウバエ(Drosophila)で保存されている、RNAiとエキソソームの相互作用を明らかにしており、分化シグナルがRNAiサイレンシングを変化させて発生遺伝子を調節していることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度