Letter
地球:核マントル境界上部のメルトに対するニッケルとヘリウムの証拠
Nature 493, 7432 doi: 10.1038/nature11771
ある玄武岩に見られる高い3He/4He比は、完全には脱ガスしていない下部マントルの供給源に由来すると解釈されるのが一般的である。このヘリウム生成源は、地球の集積時以来、核マントル境界領域に隔離されていた可能性がある。代案としては、地球史全体にわたり全マントル対流と地殻形成に取り込まれていた可能性があり、その場合、現在は核マントル境界で始原的な退避地となっているか、下部マントル全体に分散しているかのどちらである。本論文では、バフィン諸島、西グリーンランド、オントンジャワ海台、ゴルゴナ島、フェルナンディナ島(ガラパゴス諸島)で得られた溶岩を用いて、この問題を絞り込む。カンラン石斑晶の成分は、現在の大洋中央海嶺玄武岩の供給源よりも約20%ニッケル含有量が多いカンラン岩から、これらの溶岩が生成されたことを示している。データがある所では、これらの溶岩は3He/4He比も高い。我々は、メルトに富む層か底部のマグマオーシャンの結晶化の際に、核マントル相互作用によりあまり脱ガスが進んでいないニッケルに富む供給源が形成され、この供給源の一部がマントルプリュームにより継続して抜き取られていることを提案する。この供給源の空間分布は、核マントル境界の圧力条件でのニッケル分配実験により絞り込める可能性がある。

