Letter
材料:極高硬度(ultrahard)ナノ双晶立方晶窒化ホウ素
Nature 493, 7432 doi: 10.1038/nature11728
立方晶窒化ホウ素(cBN)は、よく知られた超硬材料で、さまざまな工業的用途がある。cBNのナノ構造化は、粒径が小さくなると硬度が高くなる傾向を示すというHall–Petch効果により硬度を高める効果的な方法である。多結晶cBN材料は、グラファイト様BN前駆体のマルテンサイト変態を利用することによって合成されることが多く、このマルテンサイト変態ではBN層が高温高圧によって歪む(puckering)。そのような方法によって、約14 nmという小さい粒径を持つ合成多結晶cBNが得られてきた。今回我々は、平均厚さ約3.8 nmの微細双晶ドメインが大半を占めるナノ構造cBNの形成について報告する。このナノ双晶cBNは、特別に作製したBN前駆体ナノ粒子から合成され、このナノ粒子は、本質的に歪んだBN層と多くの積層欠陥を持つ、タマネギ状入れ子構造をとっている。得られたナノ双晶cBNバルク試料は光学的に透明であり、いくつかの物理的特性を見事に兼ね備えている。すなわち、ビッカース硬度がきわめて高く、合成ダイヤモンドの最適硬度である100 GPaを超えており、酸化温度が約1,294°Cと高く、市販の超硬炭化タングステンの靭性(約10 MPa m1/2)を大きく上回る12 MPa m1/2を超える高い破壊靭性を示している。我々は、調べた最小のサイズになるまで双晶の厚さが薄くなるにつれ、cBNが連続的に硬化し続けることを示している。この傾向は、金属や合金に見られる臨界粒径、つまり双晶厚さ約10〜15 nm未満で予想される逆Hall–Petch効果と対照的である。

