Letter

細胞:細菌のCRISPR/Cas免疫系を不活化するバクテリオファージ遺伝子

Nature 493, 7432 doi: 10.1038/nature11723

細菌で、危険となりそうな外来DNA分子に対する防御に広く用いられている系は、CRISPR (clustered regularly interspaced short palindromic repeat)とcas(CRISPR-associated)遺伝子との組み合わせで構成されている。このようなCRISPR/Cas系は、真核生物におけるRNA干渉と同様に、侵入したゲノムの配列特異的な検出や中和に小分子RNAを使っている。本論文では、CRISPR/Cas系の阻害にかかわる遺伝子の最初の例について述べる。緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に感染するバクテリオファージのゲノム内で、5個の異なる「抗CRISPR」遺伝子が見つかった。抗CRISPR遺伝子に変異があるファージは、機能するCRISPR/Cas系を持つ細菌に感染できなくなり、また、CRISPR/Casの標的となるファージのゲノムに抗CRISPR遺伝子を導入すると、ファージはCRISPR/Cas系を回避できるようになった。ファージにコードされる抗CRISPR遺伝子は、非常に一般的なCRISPR/Cas系にファージが打ち勝つための広く使われている機構である可能性がある。抗CRISPR遺伝子の存在は、CRISPR/Casという機能的な機構を解明するための新しい手段となり、また、ファージと細菌の共進化についての手がかりを与えてくれる。

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