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医学:eIF4E依存性翻訳の調節異常による自閉症関連障害
Nature 493, 7432 doi: 10.1038/nature11628
シナプスタンパク質合成増加によるニューロン回路の過剰結合性は、自閉症スペクトラム障害(ASD)を引き起こすと考えられている。mTOR(mammalian target of rapamycin)は、その上流のシグナル伝達によってASDと強く関連するが、下流の調節機構は十分解明されていない。今回我々は、ASDの原因として関連付けられている後シナプスタンパク質のニューロリギンの転写が、mTOR下流に位置する真核生物開始因子4E(eIF4E)抑制因子であるeIF4E結合タンパク質2(4E-BP2)のノックアウト、あるいはeIF4Eの過剰発現によって増強されることを示す。4E-BP2をコードする遺伝子Eif4ebp2をノックアウトしたマウスでは、興奮性シナプス入力の抑制性シナプス入力に対する比が増加し、自閉症様行動、すなわち社会的相互作用の障害、コミュニケーションの異常および反復性/常同性行動の増加を示す。eIF4E活性の薬理学的阻害、あるいはニューロリギン2でなくニューロリギン1タンパク質レベルの正常化により、正常な興奮/抑制比が回復し、社会的行動障害が改善される。したがって、eIF4Eによる翻訳制御がニューロリギンの合成調節により興奮性と抑制性のバランスを維持しており、eIF4Eによる翻訳制御の異常はASD様表現型を生じさせる。

