知覚:反響定位を行うコウモリで見られる音響視野の収斂
Nature 493, 7430 doi: 10.1038/nature11664
反響定位を行うコウモリの多くでは、体の大きさと、反響定位音波の最大エネルギー周波数(ピーク周波数)との間に強い相関が認められ、小型種では大型種よりも周波数の高いシグナルが使われている。こうした関係は、体の大きさとシグナルとの相対成長、または選好する獲物の大きさによって波長にかかる音波探知上の制約によって説明されてきた。本論文では、コウモリが小型であるほど指向性のソナービームを得るために発する周波数が高くなり、コウモリにとっては可変的なビーム幅がきわめて重要であるという仮説を示す。音波発生体の大きさに比べて波長が短いほど、音波ビームの指向性は高くなる。したがって、口から音波を発するコウモリには口の大きさと波長との間に関係があって、小型のコウモリほどシグナルの周波数が高くなるはずである。我々は、閉鎖型の居住環境を模した飛翔室で、飛翔捕食性のヒナコウモリ科6種(大きさ4〜21 g)が形および音量がきわめてよく似たソナービームを発することを見いだした。それぞれの種は、指向性指数が11±1 dB(半振幅角は約37°)、軸上の音響レベルは、20 μPa rmsを基準として10 cmでの音圧レベルが108±4 dBだった。このように、すべてのコウモリが、同じような音響視野が得られるように音波を適応させていた。高い指向性の必要性が、反響定位の進化にかかる重要な制約の1つとなっており、これによってコウモリの体の大きさと反響定位音波の周波数との関係を説明できると我々は考える。今回の結果から、反響定位は、さまざまな種が体の大きさとは無関係に生息環境や目的に応じて最適な音響視野へと収斂することを可能にする、動的な機構であると考えられる。

