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細胞:DNA修復足場タンパク質はアダプターRad9に対抗することにより、チェックポイントシグナル伝達を抑制する

Nature 493, 7430 doi: 10.1038/nature11658

遺伝毒性ストレスに応じてDNA損傷チェックポイント(DDC)シグナル伝達経路が細胞周期の進行を一時的に停止させることは、ゲノムの維持に積極的に貢献している。しかし、DDCシグナル伝達の過剰な活性化は細胞周期を持続的に停止させ、弊害をもたらすおそれがあるので、この経路にかかわるキナーゼの活性は細胞で厳密に調節されなければならない。DDCシグナル伝達の監視と調整の仕組みは、その重要性にもかかわらず十分に解明されていない。今回我々は、DNA複製の際に生じた損傷によるDDCシグナル伝達の異常な過剰活性化を、DNA修復足場タンパク質Slx4とRtt107が防いでいることを出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)で明らかにした。複製ストレスが生じた場合、Slx4もしくはRtt107を欠失した細胞では下流のDDCキナーゼRad53の過剰な活性化が見られるが、上流のDDCキナーゼMec1の活性化は正常である。Slx4–Rtt107複合体は、Dpb11とリン酸化ヒストンH2Aに結合することによって、チェックポイントのアダプターRad9の働きを妨げる。この2つは、Rad9に依存したRad53活性化の正の調節因子である。RAD53H2Aに機能低下変異が起こるとDDCシグナル伝達が低下し、Slx4やRtt107を持たない細胞の複製ストレスに対する過剰反応が起こらなくなる。Slx4–Rtt107複合体は、複製で生じた損傷部位へのRad9の動員を釣り合わせる拮抗的な機序により、Rad53の活性化を調節していると考えられる。これらの知見は、DDCシグナル伝達は、DNA修復因子の直接的な作用を通して監視・調整されていることを明らかにしている。

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