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物性:カゴメ格子反強磁性体のスピン液体状態における分数励起

Nature 492, 7429 doi: 10.1038/nature11659

量子スピン液体の実験的な実現は、これらが新しい物質の状態を表しているため、物理学の念願の目標であった。量子スピン液体は従来型の基底状態と関係する破れた対称性では記述できない。実際に、このような系の相互作用する磁気モーメントは秩序化しないが、非常に長い距離にわたって非常にもつれ合っている。スピン液体は高転移温度の超伝導体を記述する理論で大きな役割を果たし、このような状態のトポロジカルな性質は量子情報への応用も考えられる。スピン液体の重要な特徴は、スピン液体が分数量子数を運ぶエキゾチックなスピン励起をも支持することである。しかし、このような「分数励起」に関して、詳細な測定はいまだ行われていない。本論文では、スピン1/2のカゴメ格子反強磁性体ZnCu3(OD)6Cl2(ハーバートスミス石とも呼ばれる)単結晶試料の中性子散乱測定を行った結果を報告する。その結果から、スピン液体に特徴的な特性を示す顕著な証拠が得られた。低温において、秩序化した反強磁性体で予測される従来型のスピン波とは異なり、このスピン励起が連続体を形成することが見いだされた。これまで、この分数スピン励起の特徴は一次元系でしか観測されていなかったため、このような連続体が観測されたことは注目に値する。これら結果は、ハーバートスミス石の量子スピン液体状態の特質にもなる。

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