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脳:行動負荷への応答を制御する、前頭前皮質から脳幹への投射

Nature 492, 7429 doi: 10.1038/nature11617

前頭前皮質(PFC)は、行動の実行の決定といった行動形成の高次制御に関与しているとされており、実際、ヒトでの画像化実験や損傷脳研究でも、PFCの機能不全は、行動開始傾向が亢進する衝動的状態や、逆に活動の減少、絶望感、抑うつなどを症状とする無動機状態につながることが示されている。これら2つの相反的な誘発性や、PFCが関与するほかの課題の広範な複雑性を考慮して、我々は行動負荷がかかった状況下での努力を要する行動応答に選択的に働くPFC回路の解明を試みてきた。今回我々は、行動負荷に対する能動的応答を連続的に評価、制御するための定量的方法を開発して実験を行った。これは、自由行動中のラットから単一ユニット電気活動記録をとりつつ、同時に光遺伝学的操作を加えるものである。内側PFC(mPFC)からの記録では、多くのニューロンの活動電位発火パターンが、単純に運動に連動してではなく、行動負荷がかかった状況下での動物の行動決定に応じて刻々と選択的に変動することが認められた。意外なことに、mPFCの主ニューロンを直接活動させても、行動に有意な因果的影響は見られなかった。我々は、特定の下流の経路とつながる一部のmPFC細胞だけが行動と因果関係を持つかどうかを検討した。実際に、特定の遠心性回路パターンを持つ細胞を光遺伝学的刺激によって投射標的を探る手法を使って制御したところ、大うつ病性障害に関係するとされているセロトニン作動性の神経核である脳幹の背側縫線核(DRN)へ投射するmPFCを選択的に活動させた場合に、能動的行動状態の選択に大きく迅速な可逆的影響が現れた。この結果は、行動選択や行動の動機付けの正常および病的パターンの基盤となる神経回路を理解するのに重要と考えられる。

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