Letter
材料科学:遅延蛍光を利用した高効率有機発光ダイオード
Nature 492, 7428 doi: 10.1038/nature11687
有機分子固有の分子設計の大きな自由度を生かして、これまで20年にわたって多種多様な有機半導体の開発が推進されてきた。特に、蛍光分子を利用した初期のデバイスからりん光分子を利用したデバイスに至るまで、有機発光ダイオード(OLED)用の材料開発には、顕著な進歩が見られる。OLEDでは、電気的に注入された電荷が再結合して、一重項励起子と三重項励起子が1:3の比率で形成される。りん光性有機金属錯体を利用すると、通常は放射失活が生じない三重項励起子を活用できるため、エレクトロルミネッセンス効率が高まる。今回我々は、分子設計によって一重項励起状態と三重項励起状態のエネルギーギャップを最小限にした、レアメタルを含有しない有機エレクトロルミネッセンス分子種について報告する。エネルギーギャップを小さくすることで、106 s−1を超える高い放射失活速度定数を維持しつつ、無放射三重項状態から放射一重項状態への高効率スピン・アップコンバージョンを実現した。言い換えると、一重項励起子と三重項励起子の両方を一重項放射過程を通して発光させることができ、90%を超えるフォトルミネッセンス効率と、19%を超える非常に高い外部エレクトロルミネッセンス効率を実現した。この値は、従来の高効率りん光OLEDで実現された値に匹敵する。

