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細胞:ISWIの調節には、ヌクレオソームエピトープによる拮抗を受ける阻害性モジュールがかかわっている

Nature 492, 7428 doi: 10.1038/nature11625

クロマチンリモデリング複合体(CRC)は、in vivoでヌクレオソームを動員して、DNA結合因子が結合部位へと接近するのを助けている。CRCには、ATPアーゼ/DNAトランスロカーゼドメインを持つ触媒サブユニットと、ヌクレオソームエピトープに結合する周辺領域が含まれる。これらの周辺領域が、ATP加水分解、あるいは加水分解とDNA転位の共役の調節によってヌクレオソームのすべり移動の効率に影響しているかどうか、またその仕組みがどのようなものかは、周辺領域についての重要な問題である。ISWIファミリーのCRCにはタンパク質ISWIが含まれ、これがATPアーゼ/DNAトランスロカーゼドメインを使ってヒストン八量体の周りのDNAを繰り返し動かして緩め、ヌクレオソームがすべることができるようにする。ISWIは、ヒストンH4尾部にある「塩基性パッチ」とヌクレオソーム外(リンカー)DNAという、2つの「活性化」ヌクレオソームエピトープによって、正に調節される。これまでの研究で、ISWIのカルボキシ末端にはリンカーDNAに結合するHAND-SANT-SLIDE(HSS)ドメインがあって、これがISWIの活性に必要なことが明らかにされている。今回我々は、ショウジョウバエ(Drosophila)のISWIが持つ、よく保存された2つの異なる新しい調節領域を同定し、AutoNとNegCと名付けた。AutoNはATP加水分解を負に調節し、NegCはATP加水分解と有効なDNA転位との共役を負に調節する。前述の2つのヌクレオソームエピトープは、AutoNとNegCによる負の調節を妨げることにより、再構築を間接的に促進している。AutoNとNegCを変異させたり除去したりすると、H4塩基性パッチやヌクレオソーム外DNA、あるいはHSSドメインがなくても、ヌクレオソームすべりが顕著に起こるようになって、ISWIドメインに通常SWI/SNFファミリーのATPアーゼに見られるのと類似した生化学的特性が生じる。したがって、ISWIのATPアーゼ触媒中心はヌクレオソームすべりを行う本質的に活性なDNAトランスロカーゼであり、そこに選択的な「阻害の阻害」モジュールが配されると、適切なヌクレオソームエピトープがある場合に限ってリモデリングが確実に起きるように働いている。これは、活性な古典的DNAトランスロカーゼを、クロマチンが適切な状況にあるときにだけ特定の作業を果たすように、特異的調節モジュールが変更したという、クロマチンリモデリングATPアーゼの特殊化についての一般的概念を裏付けている。

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