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化学:本来的な反応性を利用した実際的な複素環の炭素–水素官能基化
Nature 492, 7427 doi: 10.1038/nature11680
窒素含有複素環式化合物は、ヒトの健康に大きな影響を与えている。それは、さまざまな疾病や病態生理学的状態の治療に用いられている多くの薬物に、その構造モチーフが見いだされるからである。遷移金属を用いたクロスカップリング法の進歩により、このような分子の合成が簡単になってきたが、あらかじめ官能基化した出発物質に頼ることのない、医薬的に重要な複素環のC–H官能基化の開発は遅れている。複素環が生物学的応用に好ましいのは、その固有な特性(水に溶けやすく、リガンドとして作用できることなど)のためであるが、残念なことにこの特性が、複素環の直接的な化学的官能基化を困難にしている。今回我々は、スルフィン酸の亜鉛塩を用いてアルキルラジカルを複素環へ導入でき、複素環が本来有する反応性を利用したほかのC–H官能基化法(Minisci、borono-Minisci、求電子芳香族置換反応、遷移金属を用いたC–H挿入、C–H脱プロトン化)とは相補的な反応により、医薬において重要なC–C結合を簡単な操作で穏やか(50°C以下の適度な温度)かつ直接的に形成できることを報告する。我々はこれらの試薬のツールキットを調製し、保護基を用いた化学反応に頼ることなく、広範囲のヘテロ環(天然産物、薬剤とその構成要素)に対するそれらの反応性を調べた。これらの試薬は、水と空気の存在下で単一ポットのタンデム法で用いることさえできる。

