材料:特性調節可能なナノワイヤーの連続的気相合成
Nature 492, 7427 doi: 10.1038/nature11652
半導体ナノワイヤーは、次世代の発光ダイオードや太陽電池、バッテリーの主要な構成要素である。工業的規模で機能性ナノワイヤーデバイスを作製するには、完全な結晶性を示し、寸法・材料組成を再現性よく制御できるナノワイヤーを、安価に大量生産できる効率のよい方法が必要である。今まで、これらの要件をすべて満たす信頼性の高い方法は報告されていない。今回我々は、エアロゾルを用いた成長方法であるエアロタキシー(aerotaxy)を利用して、ナノワイヤ―を、制御されたナノスケール寸法、高い結晶性、そして非常に大きな成長速度で連続的に成長させることができる方法を示す。我々のエアロタキシー法では、サイズ選択されたAuエアロゾル触媒粒子が、GaAsナノワイヤーの核形成と成長を誘発する。このときの成長速度は約1 μm/sであり、基板を用いてIII–V族材料からなるナノワイヤーを成長させる従来の方法についてこれまで報告された値の20〜1,000倍である。この方法で、成長温度、時間、Au粒子サイズを変化させることにより、ナノワイヤーの寸法と形状を敏感に再現性よく制御できること、したがって光学特性と電子物性を制御できることが実証された。フォトルミネッセンス測定により、成長直後のナノワイヤーでも良好な光学特性と優れたスペクトル均一性を示すことが明らかになっている。また透過電子顕微鏡による詳細な研究によって、このエアロタキシー成長ナノワイヤーが閃亜鉛鉱単位胞における4つの等価な<111>B結晶方位の1つに沿って形成されることが示された。これは、単結晶基板上でAu粒子を種としたときのIII–V族ナノワイヤーの優先成長方向でもある。今回報告したハイスループットを可能にしうる連続的成長法によって、高品質ナノワイヤーの製造コストが大幅に削減できると予想できるため、ナノワイヤーを用いたデバイスの工業的規模での安価な生産が可能になるかもしれない。

