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細胞:フコースの感知は細菌の腸内定着を調節する

Nature 492, 7427 doi: 10.1038/nature11623

哺乳類の消化管は微生物叢にとって、複雑で競合的な環境となっている。病原菌がうまく腸内に定着するには、栄養素を探して摂取し、化学シグナルを感知し、定着している細菌と競争し、毒性遺伝子の発現を正確に調節する必要がある。消化器系病原菌である腸管出血性大腸菌(EHEC)は、界を越えて機能する化学感知系に依存して、毒性遺伝子の発現を調節する。今回我々は、これらの系が新規な2成分シグナル伝達系を制御することを明らかにし、これをFusKRと名付けた。FusKはセンサー型ヒスチジンキナーゼであり、FusRが応答調節因子である。FusKはフコースを感知し、毒性遺伝子と代謝遺伝子の発現を制御する。EHECが哺乳類の腸内にロバストに定着するには、このフコース感知システムが必要である。フコースは腸内にきわめて豊富に存在する。腸内細菌の一種Bacteroides thetaiotaomicronは何種類ものフコシダーゼを生産し、宿主の多糖を分解してフコースを作るので、腸管内ではフコースが多量に得られる。EHECがムチンを栄養源に生育する際には、この腸内細菌がムチンからフコースを切り出し、それによってFusKRシグナル伝達カスケードを活性化してEHECの毒性遺伝子の発現を変化させることによって、EHECの毒性にかかわっている。これらの知見は、EHECは、細菌叢の働きによって得られるフコースという宿主由来のシグナルを利用して、自身の病原性と代謝を調節することを示唆している。

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