Letter

工学:不透明な散乱層を通した非侵襲的画像化

Nature 491, 7423 doi: 10.1038/nature11578

光コヒーレンストモグラフィーのような非侵襲的光画像化法は生物科学からナノテクノロジーまで多くの分野において不可欠な診断ツールになっている。しかし、現在の方法では、入射光をすべて散乱する不透明層を通しての画像化ができない。散乱材料の層が非常に薄くても不透明に見え、その後ろにあるどんな物体も隠してしまう。ゴーストイメージングや波面整形などの方法によって最近大きな進展が得られているが、現在の手法は依然として侵襲的である。なぜなら、散乱層の背後に検出器、あるいは非線形材料のいずれかを置く必要があるからである。本論文では、不透明な散乱層の後ろに完全に隠れた蛍光物体の非侵襲的画像化が可能となる光学法を報告する。散乱層を通過したレーザー光を、この物体に照射する。レーザービームの入射角を走査して、物体の全蛍光を前から検出する。検出したシグナルから、隠れた物体の画像を反復アルゴリズムを使って得る。概念実証として、不透明な光拡散板の6 mm後ろに隠された、典型的なヒト細胞とほぼ同じ大きさ(50μm)の蛍光物体の詳細な画像と、2枚の不透明スクリーンの間に囲まれた複雑な生物試料の画像を再生した。強く散乱する媒質を通して非侵襲的画像化を行うこの方法は、ほかのコントラスト機構や幾何学構造へ一般化できる。

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