Letter
物理:二次元リュードベリガスにおける空間秩序構造の観測
Nature 491, 7422 doi: 10.1038/nature11596
極低温原子ガスの相互作用を制御し、調整する能力は新しい物質相の実現に向けた道を開いてきた。これまで短距離相互作用の高度な制御は実験的に達成されているが、新しい多体物理の領域を開く可能性があるため、長距離相互作用の実現が研究の中心となってきている。リュードベリ原子は、原子間のファン・デル・ワールス力が基底状態の原子間のそれより多数桁大きいため、この目標にきわめて適している。そのため、原子をリュードベリ状態へ遷移させると、極低温原子ガスを単にレーザー励起するだけで、強く相関した多体状態が直接現れるようになる。重要な例は、さまざまな空間秩序配置の集団励起のコヒーレントな重ね合せからなる量子結晶である。今回我々は、高分解能のin situリュードベリ原子イメージングを使って、レーザー励起した二次元原子モット絶縁体における強い相関を直接測定した。この観測により、生成した多体状態の高密度成分において、ランダム配向ではあるが明確な構造で空間秩序化した励起パターンが現れることが明らかにされた。時間分解分析の結果と合わせると、ガス全体にわたって非局在化した集団励起の相関量子状態によってこの系を記述できることを、この結果は裏付けている。今回の実験は、リュードベリガスによって物質のエキゾチックな相が実現される可能性を実証しており、したがって、長距離相互作用がある量子磁性体の量子シミュレーションを行う基礎が築かれた。

