細胞:高効率のTALEN系を用いるin vivoゲノム編集
Nature 491, 7422 doi: 10.1038/nature11537
in vivoで使える豊富な遺伝的また分子的手法を利用して、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)が脊椎動物の基礎生物学研究やヒトの病気の研究に使われることが増えてきている。しかし、標的を特定してゲノムを操作する簡単な方法がないことが、この分野の研究の妨げとなってきた。今回我々は、人工ヌクレアーゼであるTALEN(transcription activator-like effector nuclease)に改良を加えることで、ゼブラフィッシュの標的を特定したゲノム編集と機能ゲノム学的応用に役立つ強力な新手法になることを明らかにする。このGoldyTALEN改良型スキャフォールドとゼブラフィッシュの送達系を用いて、この改良型TALEN技術が、体細胞組織、生殖系列組織で遺伝子座特異的DNA切断を高い効率で誘発できることを示す。一部の遺伝子座ではこの効率は100%にも達し、その中には、モルフォリノを用いる標的遺伝子ノックダウンに見られる表現型によく似た体細胞組織での2対立遺伝子変換も含まれている。この最新のTALEN系を使うことにより、ゼブラフィッシュゲノムの前もって選んだ位置の塩基配列を、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを用いて相同性に基づく修復を通して正確に変化させることに成功した。例えば、特別に設計したEcoRV部位や、変化させたloxP(mloxP)配列を、in vivoで体細胞組織へ導入するなどである。さらに、EcoRV導入染色体、mloxP導入染色体の両方が、生殖系列へとうまく伝達されることも明らかにする。このような組み合わせ手法により、遺伝的変異のモデル作成が可能になるとともに、標的化条件付き対立遺伝子を作成できる可能性がある。

