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気候:暁新世/始新世境界に起きた急激な地球温暖化に対する河川の応答
Nature 491, 7422 doi: 10.1038/nature11513
気候は、山地流域からの堆積物の生成や、山地流域に隣接する堆積盆地内での堆積物の輸送や堆積に強い影響を与える。しかし、盆地の層序への気候の影響の解明は、流砂系内部のさまざまな過程の間の非線形性、フィードバックループ、時間のずれ、緩衝や収束によって困難になっている。暁新世/始新世境界温暖化極大期(PETM)は、おそらく新生代における地球温暖化の最も急激かつ劇的な事例であり、人為起源の気候変動と地質学的に類似していると考えられてきた。本論文では、PETMに対するコロラド西部の河川の応答を評価している。我々は、PETMの特徴的な炭素同位体比の変動と同時期に起こった、変動的な河川面積、上流域の堆積物構造の卓越、一般的に存在するクレバススプレー堆積物を特徴とする、多層の厚い砂岩層への盆地全体の遷移を立証している。この粗粒岩相の進均作用は、モデルが予測する、流域の植生の破壊によって始まり、モンスーン降水によって増大する、堆積物フラックスと流出量の急激な増加に一致している。しかし、河川堆積物の変化は、約20万年間にわたるPETMの後も長期間持続し、大気中の二酸化炭素濃度の増大を伴っている。この結果は、遠方の堆積系に対する流域の応答が長期間にわたって伝達されることが、大規模な盆地の層序の形成に大きく関与していることを強く示している。今回の結果は、世界の海洋への溶存負荷量と陸域の粘土の流出量の増加を示す証拠と組み合わせると、PETMの過渡的な超温室効果気候は主な地形における「系を一掃する事象」であり、地球の表面の溶存堆積物負荷と固体堆積物負荷の全球的な流動化を伴っていた可能性があることを示している。

