免疫:BATF–JUNはT細胞でIRF4が仲介する転写に重要である
Nature 490, 7421 doi: 10.1038/nature11530
インターフェロン調節因子4(IRF4)は、IRFファミリーに属する転写因子で、リンパ系細胞の発生・成熟や免疫応答の調節に重要な役割を担っている。IRF4はDNAとの結合は弱く、これはカルボキシ末端にある自己抑制ドメインのためだが、B細胞ではPU.1あるいはSPIBのような因子との協調結合が結合親和性を高めるので、IRF4はETS–IRF複合エレメント(EICE; 5′-GGAAnnGAAA-3′)を含む遺伝子群を調節できる。本論文では、マウスのPU.1/SPIB発現が低いCD4+ T細胞、およびPU.1が高発現しているB細胞では、IRF4が意外なことにアクチベータータンパク質1(AP1)複合体と協働して、AP1–IRF4複合(5′-TGAnTCA/GAAA-3′)モチーフ(ここではAP1–IRF複合エレメント; AICEと表す)に結合できることを示す。さらに、IL-21刺激により前もって活性化したCD4+ T細胞およびTH17分化細胞では、BATF–JUNファミリータンパク質複合体がIRF4と協働してAICEに結合する。BATFの結合はIrf4−/− T細胞で低下し、またIRF4結合はBatf−/− T細胞で低下することは重要で、これらの因子間に機能的な協働関係があることと一致する。さらに、AP1およびIRF複合体が、Il10遺伝子(TH17細胞に発現しており、IL-21により強力に調節される)の転写を協働的に促進することがわかった。これらの知見は、IRF4が細胞内の状況に依存して、ETSあるいはAP1モチーフを含む複合体を介してシグナルを伝達しうることを明らかにしており、したがってIRF4依存的転写を調節する新しい手法を示唆している。

