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細胞:ミトコンドリアの異常はショウジョウバエにおいてHippoシグナル伝達経路を介して非自律的な腫瘍プログレッションを推進する
Nature 490, 7421 doi: 10.1038/nature11452
ミトコンドリアの呼吸機能はヒトのがんで障害されていることが多い。しかし、ミトコンドリア機能障害が腫瘍プログレッションに寄与する機構は解明されていない。本論文では、ショウジョウバエ(Drosophila)成虫原基の上皮組織において、ミトコンドリアの機能障害とがん原性Rasが共存すると、周囲の組織の腫瘍プログレッションが強力に促されることを示す。我々のデータは、Ras活性化とミトコンドリア機能障害が協調して活性酸素種の産生を誘導し、これがJNK(c-Jun amino (N)-terminal kinase)シグナル伝達経路の活性化を引き起こすことを示す。JNKはさらに、がん原性Rasと協調してHippo経路を不活性化し、その標的であるUnpaired(インターロイキン-6ホモログ)とWingless(Wntホモログ)の発現上昇を引き起こす。Ras活性化細胞でのミトコンドリア機能障害は、さらに、正常なミトコンドリア機能を持つ周辺細胞でのRasシグナル伝達と協調して、良性腫瘍に浸潤・転移能を付与する。我々の知見は、ミトコンドリア機能障害とがん原性Rasによって推進されるクローン間の腫瘍プログレッションの機構的基盤を提供する。

