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生理:側坐核でのCRFの作用に対する反応は強いストレスによって欲求性から嫌悪性へと切り替わる

Nature 490, 7420 doi: 10.1038/nature11436

ストレッサー(ストレスを引き起こす刺激)は、「闘争か逃走」から内部緊急シグナルに至る、さまざまな適応応答を引き起こす動機となり、長期目標の達成を容易にする。しかし、心的外傷性ストレスや制御のできない慢性ストレスは大うつ病性障害の発症を促進し、この状態になると急性のストレッサーは長期目標への動機付けの働きをしなくなり、乗り越えられない障害と認識されるようになる。そのため、ヒトでは、ストレスに誘発されたうつは、環境への関与からひきこもりへの感情的移行を特徴とする衰弱性の疾患となる。うつや関連疾患の神経生物学的基盤と考えられるようになってきたのが側坐核で、この領域は、辺縁系、認知および運動回路を連絡させることにより、さまざまなストレス応答を仲介することができる。今回我々は、神経ペプチドの1つで急性ストレッサーや環境からのほかの興奮性刺激に応答して放出されるコルチコトロピン放出因子(CRF)が、ストレスを経験していないナイーブマウスの側坐核では、受容体CRFR1とCRFR2の共活性化を介してドーパミン放出を増加させることを明らかにする。意外にも、強いストレスにさらされると、この作用は完全に失われ、少なくとも90日間は回復しない。CRFによる側坐核でのドーパミン放出の調節ができなくなるのに伴い、CRFに対する反応が、欲求性から嫌悪性へと切り替わり、急性ストレッサーに対する感情的応答が全く正反対に変化することが示される。したがって、この知見から、ストレスが誘発するうつ病の主要症状である感情の変化の生物学的基盤が明らかになる。

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