地球:2012年4月11日巨大プレート内地震の雁行状の断層破壊とこれに直交する断層破壊
Nature 490, 7419 doi: 10.1038/nature11492
インド・オーストラリアプレートでは、大陸が衝突している領域から島弧沈み込み帯に至る北側境界に沿った横方向のずれによって生じる分散した内部変形が進行中である。2012年4月11日に、モーメントマグニチュードMw 8.7という、これまでに記録された中で最大の横ずれ地震の1つが、スマトラ沈み込み帯の南西約100〜200 kmで発生した。沈み込み帯の海側の場所でプレート内横ずれ断層運動が起きることは異例である。この地震は、インドとユーラシアの北西方向の大陸衝突により生じるプレート内部の北西–南東方向の圧縮と、北東部でプレートがスマトラ島の下に沈み込むときのスラブの引張応力に伴う北東–南西方向の伸張によって発生した。本論文では、地震波解析を用いて2012年4月11日地震では、約160秒間継続したきわめて複雑な4回の断層破壊があり、約2時間後に巨大な(Mw 8.2)余震が起きたことを明らかにする。本震の破壊は、最初に西北西から東南東を向いた(WNW–ESE)右横ずれ断層上を大きなすべり量(20〜30 m)で双方向に広がり、続いて最初の断層を横切るように、北北東から南南西を向いた(NNE–SSW)直交する左横ずれ断層上で双方向の破壊が起きた。この後に、最初の断層から南西方向に約150 kmずれた2つ目のWNW–ESE方向を向いた横ずれ断層上で西向きの破壊が起きた。最後に、東経90度海嶺を横切り震央から約330 km西にあるもう1つのWNW–ESE方向の雁行断層の破壊が起きた。本震の震央の南南西185 kmに震央が位置する巨大余震は、NNE–SSW方向の断層上で双方向に破壊が広がった。複雑な断層運動はすべり分布の分解能に限界をもたらしている。この格子状をした横ずれ断層群での大破壊は、地殻を通って上部マントルの中へさらに30〜40 km広がっていて、大きなリソスフェアの変形を表しており、やがてはインドプレートとオーストラリアプレートの局所的な境界をもたらす可能性がある。

