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細胞:低分子熱ショックタンパク質は熱射病に関連する神経変性を防止する
Nature 490, 7419 doi: 10.1038/nature11417
熱射病は命にかかわる病気で、体温調節機能の壊滅的崩壊と極度の高体温が特徴である。ここ数年、酷暑がさらに厳しくなったことが、熱射病による死亡者数を押し上げている。熱に関連して起こる病変の原因となる機構はほとんど解明されていない。本論文では、暑熱障害が線虫( Caenorhabditis elegans )で広範な壊死性細胞死や神経変性を引き起こすことを示す。線虫では、それほど厳しくない高温での前処理が、熱誘導性の壊死に対する強力な防御効果をもたらす。熱ショック転写因子HSF-1と低分子熱ショックタンパク質HSP-16.1は、前処理による細胞防御作用にかかわっている。HSP-16.1はゴルジ体に局在しており、そこでCa2+およびMn2+を輸送するATPアーゼのPMR-1とともに機能して、暑熱障害の起こる条件下でCa2+の恒常性を維持する。前処理はまた、さまざまな傷害により引き起こされた細胞死も抑制し、哺乳類のニューロンを熱がもたらす細胞毒性から守る。これらの知見は、さまざまな壊死刺激から守るための進化的に保存された機構の1つを明らかにしており、ヒトでの熱射病などの壊死がかかわる病気に関係があるかもしれない。

