Letter

気候:南極内陸における過去30万年間の硫酸塩エアロゾルと気候のカップリング

Nature 490, 7418 doi: 10.1038/nature11359

比較的粒径の大きい硫酸塩粒子と硫酸が付着したダストなどの硫酸塩関連エアロゾルは、雲の凝結核として働き、太陽光散乱の増加をもたらすことで、地球の気候を寒冷化させる作用を持つ。このようなカップリングの証拠は極域の氷床コアに残されている可能性があるが、氷床コアを融解する従来の分析手法からは、硫酸イオンとしての証拠しか得られず、それは液体の硫酸と固体の硫酸塩の両者を含んでいる。本論文では、南極内陸のドームふじ氷床コアから得られた、過去30万年にわたる固体の硫酸塩と硫酸が付着したダストフラックスを復元したプロファイルを示す。その結果、最終氷期において全ダストフラックスがかなり増加したにもかかわらず、氷期、間氷期を通して、硫酸が付着したダストのフラックスはほとんど一定だったことがわかった。他方、硫酸塩のフラックスは気温と逆の相関を持ち、硫酸塩粒子と気温の気候学的なカップリングの存在を示唆している。例えば、最終氷期最盛期の硫酸塩のフラックスの平均は5.78 mg m−2 yr−1となり、完新世の値のほぼ2倍である。近年の関係を過去の氷床コアの記録に適用するという相当な不確実性のある推算であるが、この解析から、氷期から間氷期にかけて起きた硫酸塩の減少が、雲の寿命とアルベドに対するエアロゾルの間接効果を減少させ、南極域に0.1〜5 Kの温暖化をもたらした可能性が示された。

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