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計測:自由電子レーザーによるパルス電子常磁性共鳴分光

Nature 489, 7416 doi: 10.1038/nature11437

電子常磁性共鳴(EPR)分光は、固体中や液体中の不対電子スピンを調べて、局所的な構造やダイナミクスを明らかにする。例えば、構造生物学分野のほかの手法では明らかにできなかったタンパク質複合体の構造の一部が、EPRによって解明されている。また、有機太陽電池や発光ダイオードにおける光と電気の相互作用や、量子情報処理装置の開発にとって基本的に重要な凝縮物質のデコヒーレンスの起源もEPRで調べることができる。核磁気共鳴と同様、EPR分光は、高磁場や高周波数で、また連続波よりもコヒーレントパルスによる励起で、より強力になる。しかし、周波数が100 GHzを超える一連の高出力パルスを発生させることが困難であるため、これまで、高出力パルスEPRは3.5テスラ以下の磁場に限られていた。今回我々は、自由電子レーザーの1 kWパルスによってパルスEPR分光が240 GHz(8.5テスラ)で動作可能となり、別の約30 mWの最新式固体光源を上回る革新的増強が可能になることを実証している。我々の分光計は、スピン1/2電子を、(固体光源の300ナノ秒と比べて)わずか6ナノ秒でπ/2回転させることができる。ダイヤモンド中の窒素不純物に関するフーリエ変換EPRでは、約200 MHz離れたEPR線の励起と検出が実証されている。また、ニトロキシドフリーラジカルの凍結溶液において、190 Kという高い温度で、63ナノ秒という短いデコヒーレンス時間を測定した。この分光計用に開発された自由電子レーザーと準光学的技術の両方が、1 THzを大きく超える周波数まで拡張可能であり、現在利用可能な最高静磁場まで高出力パルスEPR分光の可能性が広がる。

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