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物性:ドープ量子磁性体における準粒子のボースグラスとモットグラス
Nature 489, 7416 doi: 10.1038/nature11406
ボソン流体の低温状態は巨視的スケールで基本的な量子効果をいくつか示す。最もよく知られた例はボース・アインシュタイン凝縮と超流動であり、さまざまな異なる系の実験で検証されている。ボソンが相互作用すると、無秩序性によって凝縮が破壊されることがあり、その結果、「ボースグラス」が生じうる。この相は、対称性の破れが全くなく、スペクトルに有限のエネルギーギャップが同時に存在しないため、実験ではきわめてとらえどころがないものであった。本論文では、ドープした量子磁性体(臭素をドープしたジクロロテトラキスチオ尿素ニッケル、DTN)において磁場に誘起された磁気準粒子のボースグラスを観測した結果を報告する。磁場中のDTNの物理的性質は、グランドカノニカル集団におけるボソンの格子気体の物理的性質と同等である。すなわち、臭素をドープすると、ボソンのホッピングと相互作用強度に無秩序性が導入され、その結果、ボソンはゼロ磁場までボースグラスへと局在し、ゼロ磁場で非圧縮性モットグラスになる。ボースグラス(ギャップレススピン液体に相当する)からボース・アインシュタイン凝縮体(磁気秩序相に相当する)への転移は、かけた磁場による臨界温度のスケーリングを支配する普遍指数により知ることができ、この指数は理論予測とよく一致している。今回の研究結果は、グランドカノニカル集団における無秩序なボソンの普遍的な特徴を定量的な実験により説明したものになっている。

