Article 神経:オリゴデンドログリアは軸索の代謝を支え、神経変性に関与する 2012年7月26日 Nature 487, 7408 doi: 10.1038/nature11314 オリゴデンドログリアはミエリン形成とは無関係な機序により軸索の生存と機能を支持しており、その機能異常はいくつかの疾患で軸索変性につながる。この変性の原因はまだ確定されていないが、グルコースあるいは乳酸などのエネルギー代謝産物の欠如が考えられている。乳酸はモノカルボン酸輸送体によってのみ輸送され、これらの輸送体の変化は乳酸の産生や使用を変化させる。今回我々は、中枢神経系で最も多く発現されている乳酸輸送体であるモノカルボン酸輸送体1(MCT1、別名SLC16A1)が、オリゴデンドログリアにきわめて豊富に存在し、この輸送体の破壊は動物モデルと細胞培養モデルで軸索の損傷とニューロンの消失をもたらすことを明らかにした。さらに、これと同種の輸送体は筋萎縮性側索硬化症の患者およびマウスモデルで減少しており、発症機序にオリゴデンドログリアのMCT1が関与していることが示唆される。オリゴデンドログリアが軸索機能とニューロン生存に果たす役割ははっきりしていなかったが、本研究は、オリゴデンドログリアがニューロンと軸索を支持する新たな根本的機構を明確にしている。 Full Text PDF 目次へ戻る