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医学:腫瘍微小環境はHGF分泌を介してRAF阻害剤に対する自然耐性を誘導する

Nature 487, 7408 doi: 10.1038/nature11183

薬剤耐性は、がん治療における難題である。多くの研究が、薬剤耐性の細胞自律的機構に重点を置いて取り組んでいる。それとは対照的に我々は、腫瘍微小環境が治療に対する自然耐性に寄与すると考えた。本論文では、共培養系を開発して23種の間質細胞を系統的に評価し、45株のがん細胞の35種の抗がん剤への自然耐性に影響を与えることができるかどうかを調べた。その結果、間質細胞が仲介する耐性は一般的で、特に標的薬ではよく見られることがわかった。我々はさらに、BRAF変異を有する黒色腫患者の大部分が、RAF阻害剤に対していくらかの自然耐性を示すことから、この種のがんのRAF阻害剤に対する間質仲介耐性の特徴を明らかにした。プロテオーム解析から、間質細胞による肝細胞増殖因子(HGF)の分泌が、HGF受容体であるMETの活性化、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)およびホスファチジルイノシトール-3-OHキナーゼ(PI(3)K)–AKTのシグナル伝達経路の再活性化、およびRAF阻害に対する即時の耐性を引き起こすことが示された。免疫組織化学的実験から、BRAF変異を有する黒色腫患者の間質細胞でのHGFの発現が確認され、また、間質細胞でのHGF発現とRAF阻害剤治療に対する自然耐性の間に有意な相関が示された。HGFかMETのどちらかとRAFの二重阻害により、薬物耐性が消失することから、RAF阻害とHGFあるいはMETの阻害の併用療法が、BRAF変異を有する黒色腫の治療戦略になる可能性が示唆される。同様の耐性機構が、BRAF変異を有する大腸がん細胞株および膠芽腫細胞株の一部で明らかにされた。より一般的に、この研究は、腫瘍とその微小環境との相互作用の系統的な分析が、薬剤耐性の原因となる重要な機構を明らかにしうることを示している。

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