Article 細胞:有糸分裂の過誤に由来するDNA切断と染色体細粉化 2012年2月2日 Nature 482, 7383 doi: 10.1038/nature10802 全染色体異数性の腫瘍形成への関与は議論の的になっているが、その大きな理由は、基盤となる仕組みについての手がかりの不足である。今回我々は、有糸分裂時の染色体分離の過誤から、小核と呼ばれる構造の形成を経てDNA切断が生じる仕組みを明らかにした。全染色体を含む小核は、有糸分裂の異常で遅滞染色体が生じたときに形成される。新たに生じたこの小核がその後どうなるかを追跡し、不完全で非同期的なDNA複製が起こって結果的にDNAが損傷し、多くの場合、小核内の染色体の広範な断片化に至ることを見いだした。小核は細胞内で数世代にわたって存続する場合もあるが、小核内の染色体が娘核に分配される場合もある。したがって、染色体の分離の過誤は、変異や染色体再編成に結びつく可能性があり、それらがゲノムへ組み込まれることもありうる。つまり小核内での染色体細粉化は、がんや発達障害に見られる「chromothripsis(染色体の粉砕)」という、単離した染色体あるいは染色体腕で局所的なDNAの切断と再編成が多数起こる現象についての1つの説明になるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る