Letter

物理:X線自由電子レーザーによる固体密度プラズマの生成と診断

Nature 482, 7383 doi: 10.1038/nature10746

高エネルギー密度(>105ジュール/cm3)の物質は、宇宙全体に広く分布し、あらゆる種類の星の中、また巨大惑星の中心方向に存在する。これはまた慣性閉じ込め核融合にも関係がある。その熱力学特性と輸送特性を測定するのは難しく、均一な温度と密度で十分長い寿命の試料を生成することが必要である。線形加速器コヒーレント光源(LCLS)X線レーザーの出現で、高強度の放射(>1017ワット/cm2で、これまでは可視光レーザーの領域)がX線波長域で生成できるようになった。単一原子とこのように強力なX線との相互作用が最近研究されているが、これとは対照的な、強力なX線と高密度系との相互作用の理解は基礎科学の観点からも、応用面でも重要である。本論文では、X線自由電子レーザーを使い、慣性閉じ込めの時間スケールで、106ケルビンを越える温度で固体密度プラズマを生成した実験について報告する。我々は、強力なX線と物質との相互作用に関連する物理的性質について検討し、電子–イオン衝突の重要性を明らかにした。この相互作用過程を放射–衝突コードにより詳細にシミュレートした結果、実験結果との良好な定性的一致が示された。また、この系の電荷状態分布の発展、電子の密度と温度、そして衝突過程の時間スケールに関する知見が得られた。我々の結果は、将来の高強度X線実験、例えば生物系のX線回折画像化、物質科学研究、そして極端条件での物質の研究のような高密度試料が関係する実験を啓発すると考えられる。

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