Letter 光学:極紫外領域における直接周波数コム分光 2012年2月2日 Nature 482, 7383 doi: 10.1038/nature10711 光周波数コム(一連の等間隔線からなるスペクトル)の開発は、マイクロ波と光の周波数を正確かつ直接的に関連付けられるようになったために、計測学や精密分光に一大変革をもたらした。周波数コム技術のさらなる進展は、フェムト秒増強共振器での高調波生成による極紫外スペクトル域の周波数コム生成である。これまで、この方法で生成したコムは、応用につながるほど十分な出力がないという欠点があり、これは、きわめて非線形性の高い高調波生成過程によって生じた高繰り返し率パルス列の位相コヒーレンスを観測する試みの妨げにもなってきた。今回我々は、高出力近赤外周波数コムとロバストなフェムト秒増強共振器との結合によって、波長40ナノメートルに達する極紫外周波数コムを生成したことについて報告する。これらのコムは十分な出力があるため、我々は82ナノメートルのアルゴン遷移と63ナノメートルのネオン遷移の両方の単一光子分光信号を観測しており、したがって、極紫外域におけるコムのコヒーレンスを確認している。直接周波数コム分光で、アルゴン遷移の絶対周波数を測定した。分解された10メガヘルツ線幅の遷移は、アルゴン原子の温度によって制限されるが、このスペクトル域では前例がなく、コムの個々の歯の線幅に厳しい上限を課している。連続波レーザーが存在しないため、極紫外周波数コムは現在、超高精密分光を100ナノメートル未満のスペクトル域まで拡張する有望な唯一の手段である。そのような波長には、幅広い応用があり、分子の電子遷移の分光、一価イオンのヘリウムおよび中性ヘリウムにおける束縛状態および多体量子電磁力学の実験的検証、次世代「原子」時計の開発、多価イオンの高い感度を利用した基本定数の変化の探究などが挙げられる。 Full Text PDF 目次へ戻る