Letter 生態:狩猟採集民の社会的ネットワークと協力 2012年1月26日 Nature 481, 7382 doi: 10.1038/nature10736 社会的ネットワークには著明な構造的規則性が見られ、人類における大規模な協力の発達をネットワークが促進した可能性は、理論と証拠の両方によって示唆されている。今回我々は、タンザニアの狩猟採集民族であるハツァ族の社会的ネットワークの特性解析を行った。ハツァ族のネットワークは、歪んだ次数分布、次数同類選択性、推移性、互恵性、地理的減衰およびホモフィリー(同族親和性)など、現代化した社会的ネットワークにも見られる重要な特性を示すことがわかった。ハツァ族の集団では、公共財ゲームでの贈与のばらつきがグループ間では大きく、グループ内では小さいことが示された。ネットワークの結びつきも、同じ量を贈与する人どうしのほうが強く、協力行動における類似性は二次の隔たりにまで広がっている。協力に見られる同類選択性を説明するうえで、社会的な距離は遺伝的近縁性や物理的接近性と同程度に重要なようである。今回の結果は、社会的ネットワーク構造のある種の構成要素が、人類史の早い時点で存在していた可能性を示唆している。また、初期人類も、協力しあう性向などに基づいて、血縁者および非血縁者の双方と結びつきを形成したのかもしれない。したがって、社会的ネットワークは協力の出現に寄与した可能性が考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る