Letter 宇宙:宇宙論的な距離にあり、暗黒物質からなる低質量伴銀河の重力による観測 2012年1月19日 Nature 481, 7381 doi: 10.1038/nature10669 局部銀河群の銀河周辺で観測される矮小伴銀河の質量関数は、冷たい暗黒物質に基づくシミュレーションとは大きく異なっており、シミュレーションではさらに多くの矮小銀河があることが予測されている。しかし、局部銀河群はこの点について特異的である可能性がある。赤方偏移0.222に位置する初期型のレンズ銀河にあって暗黒物質からなる大質量伴銀河が、重力レンズ効果を使う方法によって最近発見され、下部構造に含まれる質量分率がシミュレーションから予測されるものよりも高い可能性が示唆されている。しかし、質量が非常に小さい天体が検出されていないため、それらの質量関数を絞り込むことができない。本論文では、赤方偏移0.881に位置するアインシュタイン・リング系JVAS B1938+666に、暗黒物質からなる(1.9±0.1)×108M◎(M◎は太陽質量)の伴銀河が存在することを報告する。この伴銀河は、天の川銀河の伴銀河である、いて座矮小銀河と同程度の質量を持つ。これらの最近発見された銀河のデータを組み合わせることにより、近傍宇宙より遠方にある下部構造に対する質量関数の対数スケールの勾配は1.1+0.6-0.4、平均質量分率は3.3+3.6-1.8 パーセントと決定される。我々の結果は、冷たい暗黒物質に基づくシミュレーションからの予測と95パーセントの信頼度で一致しており、したがってこの結果は冷たい暗黒物質からなる宇宙で銀河は階層的に形成されたという考え方と一致する。 Full Text PDF 目次へ戻る