Letter 物理:時間クローキングの実証 2012年1月5日 Nature 481, 7379 doi: 10.1038/nature10695 電磁場を操作・制御して、完全結像や空間クローキングなどの効果をもたらす注目すべき能力が、最近の研究によって明らかになっている。空間クローキングを実現するには、屈折率を操作することにより、プローブからの光を空間に「穴」ができるように物体の周りに進ませる。そうすると、その物体は隠される。あるいは、事象の発生を一定の時間だけクローキングするのが望ましいかもしれない。物質の分散を時間の流れの中で操作して、プローブビームに「時間の穴(タイムホール)」を作り、観測者から事象の発生を隠すという時間クローキングのアイデアが提案されている。この手法は、プローブ光ビームの前半部を加速、後半部を減速することにより、十分制御された時間ギャップを創り出すもので、時間ギャップの中で事象が起こっても、プローブビームはその事象によってまったく影響を受けない。次いで、プローブビームは、分散の逆操作によって元に戻る。本論文では、回折と分散広がりの間の空間–時間二重性に基づく概念を適用して、光ファイバーを用いた系で時間クローキングを実験的に実証したことを報告する。光学的相互作用によるプローブビームのスペクトル変形を検出することによって時間クロークの性能の特性を調べ、クロークをオンにするとピコ秒の時間スケールの事象の振幅が1桁以上減少することが示された。これらの結果は、完全な時空間クローキングの開発に向けての大きな一歩である。 Full Text PDF 目次へ戻る