Letter

宇宙:メタンサイクルのシミュレーションからわかったタイタン極域でのメタン蓄積と暴風雨

Nature 481, 7379 doi: 10.1038/nature10666

タイタンには、地球の水サイクルに似たメタンサイクルがある。極域、特に北極域には湖があり、乾燥した低緯度域には河川地形があって時折暴風雨が起こり、主に南半球の中緯度域と極域(今までのところ)には対流圏雲がある。従来のモデルは、低緯度域の乾燥を、中高緯度域への大気メタン輸送の結果として説明している。極域だけ、特に北極域に湖が観測される理由、低緯度域の暴風雨が生じる仕組み、南半球の中高緯度域に雲が集まっている理由を説明するモデルは、これまでなかった。本論文では、メタンの動的表面貯留層を組み込んだ三次元大気モデルのシミュレーションについて報告する。遠日点での北半球の夏が南半球の夏よりも長く、正味降雨量が大きいために、メタンが低温捕獲されて極域、特に北極域に蓄積されることがわかった。極域における正味降雨量は、表面に沿って起こるゆっくりした中緯度域へのメタン輸送やそれに続く蒸発と、年平均で釣り合う。低緯度域では、まれではあるが激しい暴風雨が分点付近で生じ、表面の浸食地形を形成するのに十分な降雨をもたらす。対流圏雲は、最近まで南半球であった夏半球の中高緯度域で主に作られる。我々は、北極域において卓越した雲が(地球上での)ほぼ2年以内に生じ、湖水位が次の15年間にわたって上昇すると予測している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度