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宇宙:天の川銀河中心部の超大質量ブラックホールへと向かうガス雲

Nature 481, 7379 doi: 10.1038/nature10652

恒星の軌道の計測から、コンパクトな電波源いて座A*(Sgr A*)が太陽の400万倍の質量を持ったブラックホールであることを示す説得力のある証拠が得られている。中程度のX線放射と赤外線フレアを除けば、Sgr A*は意外なほど暗く、事象の地平線近辺の降着率と放射効率は現在非常に低いと考えられている。本論文では、Sgr A*の降着領域へと落下中の、地球のほぼ3倍の質量を持つ高密度ガス雲の存在について報告する。我々の観測から、ガス雲の軌道は強く絞り込まれ、この軌道が大きな離心率を持つことがわかり、最内縁の半径は事象の地平線からわずか約3,100倍まで接近していて、ガス雲はそこに2013年に到達すると予想される。過去3年間にわたって、このガス雲は分裂し始めており、おそらくこれは主としてブラックホールの重力によって生じる潮汐剪断力によるものである。ガス雲の今後数年間の力学的な進化と放射から、降着流と超大質量ブラックホールへのエネルギー供給過程の特性が明らかになるだろう。Sgr A*のキロ電子ボルトのX線放射は、ガス雲がブラックホールの近点に到達したときにかなり明るくなる可能性がある。もしガス雲が分裂して、その破片がガスを中心部の降着領域へ送り込めば、現在から数年後に巨大な放射フレアが発生するかもしれない。

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