Letter

生化学:多剤排出タンパク質AcrBの構造決定により近位マルチサイト薬剤結合ポケットの存在が明らかになった

Nature 480, 7378 doi: 10.1038/nature10641

AcrBとそのホモログは、グラム陰性菌の主な多剤排出トランスポーターであり、抗生物質多剤耐性の主原因の1つである。AcrBはホモ三量体で、外膜チャネルTolCと膜融合タンパク質AcrAとともに三者複合体として機能している。ミノサイクリンとドキソルビシンは、結合型モノマーのフェニルアラニンクラスター部位に結合していることが以前に明らかにされている。今回我々は、高分子量薬剤であるリファンピシンとエリスロマイシンを結合したAcrBの結晶構造を報告する。これらの薬剤は待機型モノマーに結合し、その結合部位は、フェニルアラニンクラスター部位(遠位ポケット)とはPhe-617ループにより隔てられた近位マルチサイト薬剤結合ポケットに位置している。今回の構造決定により、分子内チャネルに沿って2つの異なるマルチサイト結合ポケットがあることが示された。高分子量薬剤はまず待機型の近位ポケットに結合し、Phe-617ループの位置シフトを伴うサブドメインの動きによる蠕動機構によって遠位ポケットに送られる。対照的に、ミノサイクリンとドキソルビシンのような低分子量薬剤は、近位ポケットを特異的な結合なしで通り抜け、直接遠位ポケットへ結合する。2つの異なる高容量マルチサイト結合ポケットの存在は、AcrBの際だって広い基質特異性に寄与している。

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