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生化学:ホスホン酸からリン酸への細菌による変換で生じる中間体

Nature 480, 7378 doi: 10.1038/nature10622

リンは、既知のあらゆる生命体にとって必須の元素であり、生体系では核酸、糖質、リン脂質に不可欠な構成要素として、リン酸誘導体の形で組み込まれている。しかし、ほとんどのグラム陰性細菌には、リン酸欠乏時にリンの供給源としてホスホン酸を利用する能力が備わっている。これらの菌では、メチルホスホン酸がリン酸とメタンに変換される。この変換は、形式的には炭素–リン(C–P)結合の加水分解だが、アルキルホスホン酸を活性化してリン酸とアルカンに変換する酵素反応の一般的機構は、20年以上にわたって多大な努力が払われてきたにもかかわらず、まだ解明されていない。C–P結合切断の実際の機構は、ラジカルを介した変換である可能性が高い。大腸菌(Escherichia coli)では、C–Pリアーゼ反応の触媒装置はphn遺伝子クラスターに局在することが判明している。このオペロンはphnCphnDからphnPに至る14個の遺伝子で構成されている。遺伝学実験や生化学実験により、phnGphnHからphnMまでの遺伝子がコードするタンパク質がホスホン酸のリン酸への変換に不可欠であり、オペロン中の他の遺伝子にコードされるタンパク質は補助的な機能を担っていることが明らかになっているが、C–P結合の切断に必須とみなされている7種のタンパク質はいずれも、機能の注釈付けができていない。今回我々は、メチルホスホン酸がMgATPと反応してα–D–リボース–1–メチルホスホン酸–5–三リン酸(RPnTP)とアデニンが形成されることを明らかにした。RPnTPの三リン酸部分が加水分解されて、ピロリン酸とα–D–リボース–1–メチルホスホン酸–5–リン酸(PRPn)が生成する。次に、S–アデノシル–L–メチオニンの存在下でPRPnのC–P結合がラジカルを介した反応によって切断され、α–D–リボース–1,2–サイクリックリン酸–5–リン酸とメタンが形成される。工業用、洗剤、除草剤、医薬品製造用として世界中でかなりの量のホスホン酸が製造されている。今回のアルキルホスホン酸生分解の化学反応段階の解明によって、アルキルホスホン酸化合物が代謝され、リン酸として再利用される仕組みが明らかになった。

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