Letter 古生態:ジュラ紀後期の竜脚類恐竜の低地–高地間移動 2011年12月22日 Nature 480, 7378 doi: 10.1038/nature10570 竜脚類恐竜は、地上を歩いた史上最大の脊椎動物であり、大型草食動物として、陸上生態系の重要な要素であった。ジュラ紀後期の北米大陸西部にあったモリソン堆積盆地では、季節によって乾燥する気候を特徴とする低地の河川氾濫原の環境に竜脚類が棲んでいた。こうした条件下では、栄養および水を大量に必要とする大型草食動物は、栄養および水のストレスを周期的に受けていたと考えられ、この盆地に竜脚類が広く生息していたことは謎の1つとなっていた。エネルギー論および類似の哺乳類をモデルとして使って、竜脚類が広い地域にわたる移動、もしくは乾燥期の移動、あるいはその両方によって食物および水の資源を得ていた可能性が示唆されてきたが、そのような仮説を直接裏付ける証拠は得られていない。今回我々は、竜脚類カマラサウルスの歯のエナメル質に含まれる炭酸塩の酸素同位体比(δ18O)を、低地環境で形成された古代の土壌、湖沼、および湿地の(すなわち「自生」の)炭酸塩と比較した。これらの恐竜の一部集団が、低地環境から高地環境への数百キロメートルに及ぶ季節的な移動を実際に行っていたことが確認された。こうして竜脚類の移動パターンの記述が可能となったことは、竜脚類および関連する恐竜の巨大化の生態および進化に移動が果たした役割を解明するのに役立つと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る