Letter 物理:せん断によるジャミング 2011年12月15日 Nature 480, 7377 doi: 10.1038/nature10667 泡、ガラス状分子系、コロイド、粉粒体などの広範な種類の不規則物質は、ジャミング状態を形成可能である。ジャミング状態の系は、不可逆的な変形を伴わずに小さい応力に耐えることができるが、ジャミング状態ではない系はいかなる応力が加わっても流動する。LiuとNagelのジャミング概念は幅広い適用性があるので、理論やモデリングで強い関心を集めてきたが、実験的取り組みはそれほど行われていない。LiuとNagelの枠組みでは、非熱的な系のジャミング状態は特定の臨界密度より上にしか存在しない。摩擦を受けない粒子の数値シミュレーションの結果はおおむねこの考えを裏付けているが、摩擦のある粒子のジャミング転移の性質はそれほど明確になっていない。今回我々は、摩擦のある円盤状粒子の粉粒体にせん断応力を印加することによって、等方的(無せん断)ジャミングが起こる臨界値に満たない密度でも、ジャミングを誘起できることを示す。このジャミング状態で見られる現象は、等方的ジャミング状態よりもずっと多くて複雑である。つまり、印可剪断応力が小さい場合はその状態は脆弱であり、一方向にしか伝わらない強い接触力ネットワークを持つ。全方向に伝わる強い接触力ネットワークを持つロバストなせん断ジャミング状態を作るには、最小限の値以上のせん断応力が必要である。非ジャミング状態から脆弱状態への転移と、脆弱状態からせん断ジャミング状態への転移は、接触力を伝える粒子の割合によって制御される。このような転移が起こるときの割合は、統計的に密度に無関係である。臨界値より低い密度のジャミング状態は、異方性ファブリック(接触ネットワーク)を持つ。せん断ジャミング状態の最小限の異方性は、密度が低いほうから臨界値に近づくと消失し、これは秩序–無秩序転移を連想させる。 Full Text PDF 目次へ戻る