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地球:ジブラルタル弧の浸食とテクトニクスの競合により調節されたメッシニアン塩分危機

Nature 480, 7377 doi: 10.1038/nature10651

メッシニアン塩分危機(596万年前から533万年前)は大西洋から地中海への海水の流入が減少したことで引き起こされ、広い範囲にわたって塩分が沈殿し、地中海の海水準が蒸発により約1.5キロメートル低下した。この塩分危機の際に大西洋と地中海の連絡が低下したのは、ジブラルタル弧の水路のテクトニクス的隆起と全球的な海水準変動の結果だと考えられている。この2つはどちらも、地中海の水文学的不足を補うために必要な海水の流入を制御している。しかし、テクトニクス的隆起と海水準変動は異なる時間スケールで起こっており、地中海と大西洋の連結路の水深が浅い期間が長かったために大量の塩分が沈殿したという説と両立させるのは難しい。本論文では、数値モデルを用いて、大西洋からの流入による水路の浸食がテクトニクス的隆起を相殺して、大西洋と地中海との間の連結路が浅い状態が維持された可能性を示す。必要とされる浸食速度と隆起速度は、これまでの山脈の浸食の研究結果と一致しており、ジブラルタル弧の現在の海洋堆積物高度、この地域の下でリソスフェア・スラブが裂けたことを示唆する地球力学モデルとも一致している。メッシニアン塩分危機の初期の段階で地中海の海水面高度低下が中程度であったことは、年間数ミリメートルの隆起が大西洋からの流入による同程度の浸食速度によって相殺されたことで説明できる。この知見は、隆起と浸食の競合が浸食と地中海海水準の間に調和的結合をもたらし得たことを示唆しており、初期の塩分沈殿堆積物に見られる周期性を説明するまた別の機構を提供し、メッシニアン塩分危機の間に発生した事象の時期に関するこれまでの考えに疑問を投げかけている。

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