Letter

物理:ナノ機械共振器によるマイクロ波増幅

Nature 480, 7377 doi: 10.1038/nature10628

電気信号の高感度測定は現代技術の中心となっている。量子力学の原理によると、どのような検出器や増幅器でも、ある程度の量の雑音が信号に加わることは避けられず、その量は最低でも量子揺らぎによって加えられる雑音に等しくなる。ジョセフソン接合の非線形性を利用した超伝導素子では、加えられた雑音はこういう量子限界にほぼ達している。本論文では、機械振動を使ってマイクロ波信号を増幅するという概念を示す。これによって、量子限界の操作が可能になると考えられる。我々は、放射圧力によりナノ機械共振器を駆動して、マイクロ波共振器への信号入力によってコヒーレントな誘導放出が起こり、その結果、信号が増幅される仕組みを実験により実証し、解析的に記述した。2個の線形振動子を使うこの一般的な方式には、ジョセフソン接合デバイスよりも概念的かつ実際的に簡単であるという利点がある。我々のデバイスでは、25デシベルの信号増幅が実現され、この際20個の雑音量子が加わっている。これは、加わると予測された雑音の量と一致する。このモデルは普遍的であるために、他の物理系でも実現が可能で、量子限界に近い機械的なマイクロ波増幅が集積電気回路を含むさまざまな用途でまもなく実現可能になると予想される。

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