Letter 医学:HIV-1制限因子SAMHD1はデオキシヌクレオシド三リン酸トリホスホヒドロラーゼである 2011年12月15日 Nature 480, 7377 doi: 10.1038/nature10623 マウスのインターフェロン(IFN)γ誘導性遺伝子Mg11の類似遺伝子であるSAMHD1は、樹状細胞などの骨髄系細胞でウイルス複製の初期段階を阻害するヒト免疫不全ウイルス1 (HIV-1)制限因子であることが最近突き止められており、またHIV-1制限を緩和できるレンチウイルスタンパク質Vpxの標的である。SAMHD1は、慢性的な脳脊髄液リンパ球増加症と抗ウイルスサイトカインIFN-αの濃度上昇を特徴とする炎症性脳疾患のアイカルディ・ゴーティエ症候群(AGS)とも関連付けられている。AGSに関連する病態は、HIVの経胎盤感染などの先天性ウイルス感染と類似している。今回我々は、ヒトSAMHD1がdGTPによって活性化される強力なトリホスホヒドロラーゼで、デオキシヌクレオシド三リン酸をその構成成分であるデオキシヌクレオシドと無機三リン酸に変換することを示す。SAMHD1触媒中心の結晶構造から、このタンパク質が二量体であることが明らかになり、またdNTPに対する触媒活性をdGTPが活性化する際の分子基盤が示された。我々は、樹状細胞で多量に発現しているSAMHD1が、細胞のdNTPの大半を加水分解することで逆転写とウイルスの相補的DNA (cDNA)合成を阻害し、それによってHIV-1複製を制限していると考える。 Full Text PDF 目次へ戻る