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環境:永久凍土の微生物群集のメタゲノム解析で凍土融解に対する迅速な応答が明らかになった

Nature 480, 7377 doi: 10.1038/nature10576

永久凍土が含む炭素は1672 Pgと推定されており、これは陸上植物および大気に現在含まれている総炭素量にほぼ等しい。この炭素貯蔵庫は、世界的な気温上昇が永久凍土の融解をもたらしているために変質しやすくなっている。凍土が融解する際には、取り込まれていた有機物が微生物による分解を受けやすくなって、温室効果ガスが放出される可能性がある。近年、永久凍土の微生物群集の研究への分子的手法の導入が進んでいるが、融解に対するそれら群集の応答は依然として明らかになっていない。今回我々は、大規模メタゲノム塩基配列解読法を用いて、微生物の系統発生的および機能的遺伝子に凍土融解が与える影響を明らかにし、そのデータをメタン放出量の測定値と関連付けた。環境から回収したDNAの塩基配列を直接解読する「メタゲノミクス」では、代謝のパズルの各ピースではなく、生化学的経路とそれに関連する過程の全体を分析することが可能となる。今回のメタゲノム解析の結果、凍結状態から融解状態への移行中に、多くの微生物的、系統発生的、および機能的遺伝子の存在量および経路が急速に変化していることが明らかになった。1週間にわたって5°Cで定温培養すると、永久凍土のメタゲノムは凍結状態の場合よりも互いに類似したものへと収斂していった。我々は、炭素および窒素の循環に関与する複数の遺伝子が、凍土融解中に急速に変化することを見いだした。また、1つの複雑な土壌メタゲノムから、新規メタン細菌に対応する初の概要ゲノム配列を構築した。永久凍土内に蓄積されていたメタンは融解の最中に放出され、その後、メタン酸化細菌によって消費される。こうしたデータを総合すると、融解する永久凍土中のメタンおよび窒素の迅速な循環の重要性が指摘される。

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