Letter 気候:高緯度域で観測された森林伐採による局地的寒冷化効果の増強 2011年11月17日 Nature 479, 7373 doi: 10.1038/nature10588 中高緯度域における森林伐採は、生物物理的な過程を変えることで地球表面を冷却する可能性があると考えられている。大陸規模の開拓についての気候モデルでは、寒冷化は地表面アルベドの増加により生じ、陸面アルベドと海氷のフィードバック作用によって増強される。このフィードバックはモデル予測に重要で、この相互作用がないと、他の生物物理的過程がアルベドの影響を上回って、寒冷化ではなく逆に温暖化を発生させる可能性がある。気候緩和のための土地管理など、現在進行中の土地利用活動は、局地的な規模(ヘクタール)で行われており、フィードバックを発生させるには小さすぎる。さらに、その場所に固有の生物物理的機構が単独で、地表面の温度を一貫して変化させることができるかどうかはわかっていない。また、森林伐採が気候へ与える影響が、広い面積で直接観測から示されたことはない。本論文では、開けた土地の地表の気温が近傍の森林地帯よりも低いことを示す。この影響は、北緯45度から北側では0.85±0.44 K(平均値±1標準偏差)で、南側では0.21±0.53 Kである。北緯35度より南側では、森林伐採が温暖化をもたらす弱い証拠がある。これらの結果は、米国とカナダの樹木に覆われた渦相関観測タワーにおける気温と、近傍の地表面の気象観測点の気温(開墾された狭い地域の代理指標となる)の比較に基づいている。地表アルベドの変化と無関係の夜間の気温変化は、全体的な寒冷化への影響の重要な一因となる。観測された緯度依存性は、日内周期の昼間と夜間の両方の相で対流と放射によって起こるエネルギー損失の理論的に予想される緯度的変化と一致している。ただ夜間相のエネルギー損失については、気候モデルではまだよくわかっていない。 Full Text PDF 目次へ戻る